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脱力に関して

先ごろ、筋力がなければ脱力ができない、とおっしゃっている方がありましたので少し。それは筋力があるので力を入れていないように見せている、ということで実際には脱力して演奏していないということです。
脱力は、文字通り脱力です。脱力というと「全ての力を抜いたら弾けないでしょ!」とおっしゃる方もありますが、無駄な力を入れないという意味です。
まず正しく座れているか。体の前後に無駄な力をいれないでストンと全部の重心が一箇所に落ち着いている状態です。それができなければ肩、首に余計な力がかかります。
次に、肩甲骨、肩、首、腕、肘には余計な力はいりません。手首は浮かしている感じ。肩甲骨→肩→上腕→肘→腕と伸ばしてきた重さをコントロールするのは手首です。手の平も余分に力は入れない。でも指の関節はしっかりと。作用点である指は全ての重さを支えるのでくじけてはピアノが鳴りません。ピアニッシモを弾く場合にも指は作用点なのでしっかりする必要があります。肩からの力でコントロールできれば思い通りのピアニッシモが出せるのです。
音の強弱ではなく音質の柔らかさをコントロールする場合には指に入れる力を加減することが有効です。

リズムを取るのは脳に良いこと

拍を刻むこと、たとえば手拍子を取る、揺り椅子で揺れる。これは気持ちがよいこと。それはなぜか、というと脳の中のセロトニンという幸せ物質の分泌が高まるかららしい。良い事を聞いた。年齢が高い方で後からピアノをされた方はリズム、拍に弱い傾向がある。早速レッスンで、
「メトロノームの刻みで音階の練習をする、というのを始めませんか、脳内にセロトニンという幸せ物質が分泌されるらしいです」
と言ってみたところ
「それはもう、絶対やらなきゃ!!」
という反応を得ました。
私自身毎日の練習の最初に色々なテンポで音階をさらうのですけど、これが単純なのだけど心地がよいのです。気分が落ち着くのです。時には心がざわめいてしまった時にピアノに飛んで行って音階をさらうこともあるのはこうしたわけがあったのですね。

打鍵の直後に音を解放

奏法の一口コメントです。
打鍵の直後にそれまで締めていた指の付け根の筋肉を解放して音を手放してやります。
そうすると音は柔らかく良く響いて遠くまで飛んでいきます。

ピアノの構造からいうと打鍵の後に手をどうしようとも音に変化はつかないはずなのです。
もう打鍵の後はハンマーは降りているしダンパーはあがったままです。
でもこの感覚、打鍵の直後に力を解放するように打鍵するとハンマーが弦を叩くスピード、タイミングが鐘を打つようになるのです。

アレクサンダーテクニークを知って  続き

さて、アレクサンダーテクニークに出会う前も様々な奏法の本に接して来た。
そして良いと思うものは試して奏法を何度も変えてみた。
椅子の高さから,腕の動かし方、楽譜の読み方に至るまでより良いと思えば勇気を持って新しいチャレンジを繰り返した。

しかし今度はコンサートの一週間前である。
試すにしても、ちょっと勇気がいり過ぎ,と思ったのだが試したい誘惑は大きかった。
で、やはり奏法を変えてみた。
さすがに一週間では限度もあったが変えた価値は大きかった。
わたしはピアニストをやめずにすんだ。

最初に書いたがロシアの奏法。
体の大きいロシア人と華奢なわたしが同じ楽器に向かうのである。
同じテクニックで済むはずがない。
からだを最大限に効率よく使う。
まずそれをしなければ無理というものだ。

どんな奏法だろうとその人に合っていれば根本的には良いのである。
その人が表現したいことを無理なくできれ何でもOKだろう。
ただ体に無理のある奏法では音楽のことを考える余裕もなくすし、指を痛める可能性もある。


わたしはアレクサンダーテクニークをベースに今までの経験をプラスしながら奏法を研究し続けた。




【奏法談話室】開設

脱力奏法に関してサイトに書いております。
楽に演奏できればそれだけ音楽の楽しみも味わえます。
ご質問をいただくこともありますので、できればみなさんの御参考になればと公開する事にいたしました。
よろしくお願い致します。
プロフィール

しろ薔薇

Author:しろ薔薇
ようこそ
ピアニストの坂田麻里です。
シャブラン音楽教室のホームページはこちらから

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